11/10 「中江藤樹に学ぶ会」の開催
【近江聖人 教え今に】
「中江藤樹」の名を聞いて「ああ、あの人」と思いつくのは、戦前の修身や日本史の授業で詳しく学んだ人たちぐらいではないだろうか。かく言う私もこの地に来るまで江戸時代の儒学者ということしか知らなかった。滋賀県高島市安曇川町は「近江聖人」と称された藤樹の生まれ故郷。彼の教えの普及に取り組む人たちが拠点とする「藤樹書院」を訪ねてみた。(成田康広)
中江藤樹の命日の9月25日、書院では儒教の様式にのっとった儀式が厳かに行われた。
藤樹は1608(慶長13)年、書院そばで生まれた。故あって9歳から27歳まで他郷で暮らすが、母への孝養などを理由に伊予国(現愛媛県)の大洲藩を脱藩し帰郷。41歳で亡くなるまで村民らを相手に私塾を開く。我が国の陽明学の始祖とされる。
これだけだと「なぜ、有名なの」と首をかしげる。ところが「親孝行」の模範として、戦前の教科書にはよく載っていた。滋賀大学が戦前の教科書に載った県出身者を調べたところ、修身では山内一豊の妻の3倍、51冊に掲載されていた。
庭の藤棚が「藤樹」の由来を思い起こさせるが、火災で1882年に再建された現在の書院は彼が教えた当時の面影はない。しかし、財団法人「藤樹書院」の山本義雄常務理事(70)は「藤樹はこんな人だったかな」と思わせる温和な雰囲気があり、「藤樹先生は愛することと敬うことが大切と教えました」と丁寧に話す。法人では男女15人が年中無休、無料で書院と、その隣の来場者を接待する「良知館」を運営している。
NPO法人「高島藤樹会」の会員で、藤樹に関するエピソードや教えを紙芝居にして教える北川暢子さん(69)は「子供たちは目を輝かせて聞いています」とほほ笑む。良知館でお茶を飲みながら2人の話を聞いていると藤樹がそばにいるような気分になった。
○日時:2013年11月10日(日)10時00分開場受付~
○会場:中江藤樹記念館
※JR湖西線安曇川駅徒歩10分
○内容:
10時30分:中江藤樹に学ぶ会開会挨拶
35分:上田藤一郎前藤樹会会長による講話
質疑応答
図書室閲覧
11時45分:昼食タイム(藤樹の里道の駅レストラン食堂)
12時30分:開場
13時10分:開演青田勝彦さん夫妻と高垣博也監督との対談
「福島原発事故のその後」
14時00分:ソドムの嘘ゴモラの呪縛原発ドキュメンタリー映画上映
15時15分~
近江聖人、中江藤樹関係巡り、藤樹の里文化芸術会館、陽明園、
中江藤樹のお墓、藤樹神社、藤樹書院、良知館(藤樹書院休憩所)
○参加費:自由(知良致)
○主催:ネットワーク『未来シンフォニー』
○後援:
滋賀県(申請中)、滋賀県教育委員会(申請中)、高島市、高島市教育委員会
○協力:原発ドキュメント映画、高島市上映実行委員会
<お問い合わせ先>
ネットワーク『未来シンフォニー』
TEL:080-1474-1386(伊佐)
TEL:090-4907-5815 高見
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