12日に行われたおうみ未来塾11期生の卒塾式における北村塾長の挨拶をご紹介します。
地域というものの概念が、あるいは重要性というものが、3月11日の大震災を
契機に大きく変化しました。今回の大震災は、ご存じのとおり、非常に地域が
多様です。阪神大震災のような都市集中型ではなく、漁村もあれば農村もあれ
ば原発を抱えている福島の問題もある。それぞれの地域に権限と財源とスタッ
フを備えて、そこからの復興しかありません。地方分権というのは、名目ではな
く実態を伴って行われなければなりません。福島の原発の問題は、また、不完
全な技術による巨大な装置に頼ることがいかに危険であったのかということを
我々の前に明らかにしました。日本社会が、ヨーロッパも含めて、再生可能エネ
ルギーを地域で地道につくっていくということが21世紀の大きな方向であること
は間違いありません。エネルギーの問題にしても、食料の問題にしても、意思
決定の問題にしても、これからはきれい事ではなくて本格的に分権型の社会を、
そして分権型の組織がネットワークをつくる社会を我々はつくっていかないと日本
の未来はありません。そのことを明らかにしたのが3.11であります。
分権型社会にとって必要なのは地域で活動するリーダーです。当事者性をもっ
て自分たちの地域を自分たちで運営していく覚悟とネットワークとスキルを持った
人々を地域で育てなければなりません。そのことに日本社会の未来がかかって
いることも3.11は我々に明らかにしました。
この未来塾は地域におけるリーダーを地域プロデューサーと位置づけて育って
いただくことを願って13年前に発足をした塾であります。是非、卒塾される皆さま
は卒塾を契機として、地域プロデューサーとして地域で活動していただくことを心
から願いたいと思います。卒塾おめでとうございます。